(自分の舌で触れた相手の舌の感触)溶けたガムのようだったあの舌
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
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キス・口づけ
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前後の文章を含んだ引用
......唇を合わせることをやめなかった。 舌を唇の間に差し込んだが、その先へは進めない。伊吹は抵抗するようになってから、決してその奥に私の舌を侵入させなかった。だから、溶けたガムのようだったあの舌が、今どんな感触になっているのか、私にはわからなかった。 私は伊吹の乾いた唇と、その奥に整列している歯を、舌の先で舐めた。それだけで、体中の細胞がざわざわと揺れ......
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人工呼吸のようなキス
島田 雅彦 / ドンナ・アンナ amazon
口腔と口腔をつないでつくる小空間の内部で、ふたつの舌が 猛り狂ったように動く。舌が肉片であること、硬くなったり柔らかくなったり尖ったり捻じれたり震えたりする熱く濡れた肉片であることを、異様なほど意識する。水島が何か言うが、食べ物を頬張りながらしゃべっているようで聞き取れない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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全身に暖かい 淫靡 な血が湧き始めた。それは、ゆったりとした大陸の河のように流れ続けて股間を満たして行った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
(女性がオルガスムに達した時)女は 瞼 の裏に 虹 が出るというが本当かと尋ねたりする。 虹は見たことないが、瞼の内側からあかりがともって、ローストビーフの真中の、生焼けのところみたいな色になることはある
向田邦子 / りんごの皮「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
そして彼女は野呂のリズムを受け入れたのだ。ベッドの上で同じリズムを刻んだ。二人の奏でる音楽はベッドのスプリングがぎしぎし 軋む音と相まって、クレッシェンドになる。苦悶のような喘ぎ声が不協和音となって、そこに混ざる。そして、最後に高らかに鳴らされるシンバルの音と共に、彼らの烈しい音楽はふいに静まり、荒い息づかいと共に闇の彼方に溶けていく……。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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