二人は、自然と深まり行くことへの躊躇いから、却って長い、いつ尽きるともしれない口づけに浸った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
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キス・口づけ
愛撫(前戯)
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前後の文章を含んだ引用
......らを相手にすっかり明け渡してしまう喜び。──その深みの底は知れず、むしろ洋子は、今こそ《ヴェニスに死す》症候群の官能の渦中に吞まれつつあるのかもしれなかった。 二人は、自然と深まり行くことへの躊躇いから、却って長い、いつ尽きるともしれない口づけに浸った。 ジャリーラの存在は意識にかかっていた。踏み止まるべきで、だからこそ、このままで、互いの存在をより強く受け止めようと、背中に回した両腕に力が込もった。 それでも......
単語の意味
躊躇(ちゅうちょ)
躊躇・・・気持ちに迷いがあって決断できないこと。ためらうこと。踏ん切りがつかないこと。
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キス・口づけの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
互いに食べ合うみたいに、口を動かしている。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
私はお釈迦様に恋をしました 仄 かに冷たい唇に接吻すれば おおもったいない程の 痺 れ心になりまする。
林芙美子 / 新版 放浪記
やさしくて穏やかで、そして何処に行くあてもない口づけだった。《…略…》あたたかくて親密な気分になっていて、そのことを何かのかたちで残しておきたいと無意識に考えていたのだろう。我々の口づけはそういうタイプの口づけだった。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
蓮の花が開くときのにするのに似た大きな接吻の音
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
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愛撫(前戯)の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
互いの身体を愛撫し合い、唇と唇を重ね合って、ベッドの中、その日二度目の性の交歓に向かう助走を始める
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
彼の愛撫に身をまかせ、その肉欲の時間を楽しんでいる
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
僕のペニスはとても固く、そして熱かった。それだけ激しく僕は彼女を求めていたのだ。僕はひどく乾いていたのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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(二人の)指と指とは時計の歯車のように深く組み合わされて離れません
永井荷風 / 踊子 amazon
何となく気があるふたりがいて、何となく約束して、夜になって、食べて飲んで、どうする? となって、今日あたりいけるとお互いが暗黙の打ち合わせをしてる
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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