(結婚して)目の前には家族を背負って歩く働き蜂の、単調な人生が細く、遠く続いている
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......数多の夢が今しも結婚という現実によって一つに固定されようとしている。もう彼はアラビアン・ナイトの若者のように数奇の冒険のすえ異国の美姫と結ばれるチャンスはない。目の前には家族を背負って歩く働き蜂の、単調な人生が細く、遠く続いているだけだ。捨て去ったさまざまな可能性に対して──可能性と表現することさえ気恥ずかしい途方もない空想に対して、すこぶる曖昧な愛惜の念を抱くのではあるまいか。〝しまっ......
単語の意味
背負う(せおう・しょう)
蜂(はち)
背負う・・・1.運ぶべき物や人などを、背中にのせる。
2.苦しい仕事や重い責任などを引き受ける。
2.苦しい仕事や重い責任などを引き受ける。
蜂・・・膜翅目(まくしもく[=ハチ目])のうち、アリ以外の昆虫の総称。頭・胸・腹を境にくびれていて、特に腹は細長い。ハチといえば毒針で刺すものと思われがちだが、実際に刺すハチはほんの一握りに過ぎない。大きな巣を作って家族で暮らすものもハチ全体で見ると一部のみ。
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(結婚して)目の前には家族を背負って歩く働き蜂の、単調な人生が細く、遠く続いている
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