浴槽の縁をぐるりと囲んで黒ずんだ垢がこびりついている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
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風呂・入浴
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前後の文章を含んだ引用
......治の母親のことを考える。二十二といえば、今では陣治の娘であってもおかしくない歳だ。優しい美しい女だったのだろうか。幼い陣治を残して死ぬのはどんな気持だったろう。浴槽の縁をぐるりと囲んで黒ずんだ垢がこびりついている。湯につかっていると、陣治の垢が溶け出して洗い上げた皮膚から沁み込んでくる気がする。いつもはなんとか耐えているその気味悪さが、さっきのあんな姿を見てしまった今日は......
単語の意味
垢(あか)
ぐるり
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
ぐるり・・・1.周囲。まわり。あらゆる方向。
2.物が一回転するさま。物の周りを一回転するさま。ぐるっと。
2.物が一回転するさま。物の周りを一回転するさま。ぐるっと。
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