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(坂道をのぼる馬)馬は 渾身 の力をふりしぼった。 代赭色たいしゃいろ の体に奇怪な 力瘤ちからこぶ が盛りあがり、それが陽炎の中で 烈しく震えた。夥しい汗が腹を伝って路上にしたたり落ちていく。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
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......のである。馬も男も少しずつ疲れて焦っていく様子が伝わってきた。車も市電も道行く人も、みな動きを停めて、男と馬を見つめていた。「おうれ!」 男の掛け声にあわせて、馬は渾身の力をふりしぼった。代赭色の体に奇怪な力瘤が盛りあがり、それが陽炎の中で烈しく震えた。夥しい汗が腹を伝って路上にしたたり落ちていく。「二回に分けて橋渡ったらどうや?」 晋平の声に振り返った男は、大きく手を振って荷車の後にまわった。そして荷車を押しながら、馬と一緒に坂を駈け登った。「おうれ!」......
単語の意味
代赭色(たいしゃいろ)
夥しい(おびただしい)
陽炎(かげろう・ようえん)
体(からだ)
腹(はら)
馬(うま)
代赭色・・・茶色の混じった橙色。代赭石(赤色の軟らかい土状の赤鉄鉱)に似た色。
夥しい・・・(量や数が)非常にたくさん。程度がひどい。
陽炎・・・春や夏の穏やかな日に、透明の炎のような揺らめきが地面からユラユラと立ちのぼる現象。局所的に密度の違う空気が混じることで、光が異常屈折して起こる。
・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
・・・1.ウマ科の哺乳動物の総称。古くから耕作・運搬・常用に使う重要な家畜。体が大きく、首・顔が長く、鬣(たてがみ)がある。草食。
2.脚立(きゃたつ)の異称。四方に開いた支脚を有する台。
3.将棋で角の成ったもの。竜馬(りゅうめ)。成り角。
4.「つけうま」の略。遊興費の不払いを取り立てるため客に同行する者。
5.体操で跳馬のこと。またその用具。
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