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振り返ってみると、それは人生ですらないような気がする。少し起伏はあった。ごそごそと登ったり降りたりはした。でもそれだけだった。殆んど何もしていない。何も生み出していない。誰かを愛したことはあったし、誰かに愛されたこともあった。でも何も残っていない。奇妙に平坦で、風景が平板だ。まるでビデオ・ゲームの中を歩いているみたいな気がする。パックマンみたいだ。ぱくぱくぱくと迷路の中の点線を食べていく。無目的に。そしていつか確実に死ぬ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) 作品を確認(amazon)
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冴えない、ぱっとしない人生
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単語の意味
起伏(きふく)
風景(ふうけい)
起伏・・・1.高くなったり低くなったりしていること。高低。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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七十年の生活をふり顧ってみると溜桶の蛆虫が桶の壁を攀じ登っては落ち、攀じ登っては落ちして依然として汚物の中から脱け出られなかった姿の厭しさが考えられる。
中山 義秀 / 厚物咲 (1955年) amazon
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写真の尾畑小枝子に間違いなかった。ただし、面差しに年月の経過が 否応 なく表れていた。目の下に 皺 が刻まれ、 瞼 が少し 瘦 せて目が大きくなったように見える。肩までの長さの髪は黒々としているが、染めているのかもしれない。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
揺れる車から振り落とされないような必死さで、毎日を過ごしている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
(指導者を失った信徒)海図を失った 嵐 の海の船。それがおそらく今の日本の信徒たちの気持でしょう。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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