わたしが口を閉ざすと、彼もまた黙りこくった。沈黙が流れた。ベランダでエアコンの室外機が、ごうごうと唸っている音がよく聞こえた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:47% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......いほど低い声で。 噓じゃない、と彼は言った。 その言い方はいかにも本当らしく聞こえた。だが、わたしは本当らしく聞こえる噓、というものに対して敏感になっていた。 わたしが口を閉ざすと、彼もまた黙りこくった。沈黙が流れた。ベランダでエアコンの室外機が、ごうごうと唸っている音がよく聞こえた。「急な話だけど、明日から京都に行くんだ」と野呂は言った。「京都のね、洛北のほうに、古い禅寺があって、そこの奥座敷にあまり人に知られていない見事な襖絵があるんだよ......
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その沈黙は私を無限の谷底に陥れるように深く、私の胸を打った
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