（肌の味）コトの肋骨の間に舌を差し込む。植物のような渋い味がする。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：36% 作品を確認（amazon）
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......人のあちこちが擦れ合って小さな熱を持ち、斑点のように染み込んでくる。角ばった爪が乳房にのめり込む。熱の斑点が大きく回転して、身体の中心に血液を集める。わたしはミコトの肋骨の間に舌を差し込む。植物のような渋い味がする。彼の濡れた顎が見える。その吸い付くような感触は唾液と一緒に喉を降り、肺を嘗め、子宮の奥で行き止まる。何回も何回もその感触は降りてきて、濃縮され、反対に子宮を突き......
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（肌の味）コトの肋骨の間に舌を差し込む。植物のような渋い味がする。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
岩陰に佇んでいる青味を帯びた魚の肌を想わせる肌
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