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......二　新開地のような泥濘路に下品な強い光がさしている。両側の家々からは鮮やかな、然し神経を疲らしている者は、その為吐気を催すかも知れない程、あくどい色の着物を着た女達が往来を通る男に叫びかけている。それは憐憫を乞うようにも、罵るようにも聴きなされる叫声であった。　竜岡と謙作とはもうすっかり圧倒されて了った。二人は並んで往来の中程を真直ぐに急ぎ足で歩いていたが、それでも竜岡は小声で、「なかなか綺麗な女が居るネ」などと云っ......

単語の意味

憐憫（れんびん）

罵る（ののしる）

往来（おうらい）

叫声（きょうせい）

憐憫・・・かわいそうだと思うこと。哀れに思うこと。

罵る・・・１．下品な言葉を使って相手を非難する。相手にはっきり聞こえる大声で悪口を言う。罵倒する。
２．大声でさえ叫ぶように騒ぐ。

往来・・・１．行き来(いきき)。行ったり来たりすること。
２．道路。通り。

叫声・・・叫（さけ）び声。