寒くなればなる程、塩のように乾いた、細かい雪がビュウ、ビュウ吹きつのってきた。それは硝子 の細かいカケラのように甲板に這 いつくばって働いている雑夫や漁夫の顔や手に突きささった。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:12% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
吹雪・暴風雪
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......と体当りをする。 オホツック海へ出ると、海の色がハッキリもっと灰色がかって来た。着物の上からゾクゾクと寒さが刺し込んできて、雑夫は皆唇をブシ色にして仕事をした。寒くなればなる程、塩のように乾いた、細かい雪がビュウ、ビュウ吹きつのってきた。それは硝子 の細かいカケラのように甲板に這 いつくばって働いている雑夫や漁夫の顔や手に突きささった。波が一波甲板を洗って行った後は、すぐ凍えて、デラデラに滑 った。皆はデッキからデッキへロープを張り、それに各自がおしめのようにブラ下り、作業をしなければならなかっ......
ここに意味を表示
吹雪・暴風雪の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ガラス窓の外で、雪が唸り始めた。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
暗闇が吹雪にとけて、不透明な視界が墨汁色にぬりたくられる
本庄 陸男 / 石狩川 amazon
自然が粉雪をあおりたてて、所きらわずたたきつけながら、のたうち回ってうめき叫ぶその物すごい気配
有島武郎 / 生まれいずる悩み
このカテゴリを全部見る
「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
横なぐりの雪がぼたぼたと吹きつけた。 見る間に、草鞋 の型がつく。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
雪は静かに降り続いていた。それは僕のコートに落ちて、しばらく戸惑い、そして消えていった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
降り落ちた雪もまた吹き上げられて、白い布のように飛ぶ。
川端 康成 / 二十歳「川端康成全集 第5巻 小説 5」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
雪・霜・あられ の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ