(雪の様子)「白い薔薇の花弁が何枚も何枚も落ちてくる感じよ。」 「ポプラの種が下から舞い上がってくるみたい。」 「今日は小麦粉みたいな粉雪よ。この中を歩いたら、むせてしまいそう。」
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:89% 作品を確認(amazon)
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雪
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前後の文章を含んだ引用
......り明るかった。弟はほとんど立って歩く元気がなかったので、ベッドの中からよく雪の様子をたずねた。わたしはできるだけいろいろな種類の言葉を使って、説明しようとした。「白い薔薇の花弁が何枚も何枚も落ちてくる感じよ。」「ポプラの種が下から舞い上がってくるみたい。」「今日は小麦粉みたいな粉雪よ。この中を歩いたら、むせてしまいそう。」 などと説明すると、弟は、「へえ、そうなの。」 と言いながら、か細い視線を窓の方に向けた。弟は窓枠に縁取られた雪を、わたしはだんだん透明になっていく弟を、長い時......
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雪の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
大きな 牡丹雪 が気持のいいほど 盛んに降っていた。
志賀 直哉 / 痴情「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
雪の凍みる音が鈴のようにきこえるのだ。
深田 久弥 / あすなろう「あすならう・オロツコの娘 (1954年) (現代日本名作選)」に収録 amazon
山の陰に消残つて、雪の色も仄 に青く煙つてゐる。
芥川龍之介 / 芋粥
堅雪の表面がざらめのようにざらついている
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
吹雪は、まだ、二人の姿を消してしまうほど荒れていた
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
無数の白刃を振り回すように雪が飛ぶ
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
積もっている雪の肌が軽石のようにざらつく
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
銃声のような鋭いみぞれの音
五木寛之 / 夜の斧 amazon
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