口惜しくなると、そこいらへ小刀で落書きをしたくなる生き方を神様よ御ぞんじですか……。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:99% 作品を確認(青空文庫)
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我慢・辛抱・耐える
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......。進化 と、革命という言葉が出て来る。私にはそんな忍耐もいまはない。泥々で渇望の渦のなかに、何も考えないで生きているだけだ。窒息から、かろうじて生きているだけだ。口惜しくなると、そこいらへ小刀で落書きをしたくなる生き方を神様よ御ぞんじですか……。只、こうして手をつかねて風鈴をしのぶ草にくくりつけている。馬鹿に涼しそうだと云って買ってゆく人間の顔が眼に浮ぶ。いまに何とか人生を考えなければなるまい。 夜更け......
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我慢・辛抱・耐えるの表現・描写・類語(我慢・諦めのカテゴリ)の一覧 ランダム5
私は、「あ」と声が出た。その「あ」は主として睦子への哀惜のようなもの、時には欲情のようなもののこみ上げをおさえるための声だった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
目の前においしそうな鰹節がころがっているのに、飼い主の監視がきびしくて手が出せないでいる猫のよう
井上 ひさし / モッキンポット師ふたたび amazon
お預けをくった犬のように、いつまでも栗まんじゅうをもらえない
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
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欲は状況によって、とても簡単に水位が変動します。水面に浮かんだアヒルのおもちゃは、海ほど水が多ければもちろん浮きますが、かと言って栓を開けてしばらくたち、お湯があらかた抜けた湯船にも、黄色いおしりを浴槽の床にこすらせながら、かろうじて浮きます。絃と話すことによってお湯はほんの少し足されただけでしたが、心のなかでアヒルのおもちゃはぷかぷか浮いていました。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
「どうでもいいわ」……小初はすべてをぶん流したあとの涼やかさを想像した。
岡本かの子 / 渾沌未分
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