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(馬が驚いて後ろ足で立つ)馬は、えたける犬の群れに、脅かされたせいであろう、首を空ざまにつとあげると、前足で大きな輪をかきながら、前よりもすみやかに、空へおどった。あとには、ただ、濛々もうもうとしたほこりが、夜空に白く、ひとしきり柱になって、舞い上がる。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:83% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......手に太刀たちをかざしながら、うなじをそらせて、兄を見た。そうして刹那せつなに二人とも、相手のひとみの奥にひそんでいる、恐ろしいものを感じ合った。が、それは、文字どおり刹那である。馬は、えたける犬の群れに、脅かされたせいであろう、首を空ざまにつとあげると、前足で大きな輪をかきながら、前よりもすみやかに、空へおどった。あとには、ただ、濛々もうもうとしたほこりが、夜空に白く、ひとしきり柱になって、舞い上がる。次郎は、依然として、野犬の群れの中に、傷をこうむったまま、立ちすくんだ。……  太郎は――一時に、色を失った太郎の顔には、もうさっきの微笑の影はない。彼の心の中で......
単語の意味
濛濛・朦朦・濛々・朦々(もうもう)
夜空(よぞら)
首・頸・頚(くび)
犬・狗(いぬ)
馬(うま)
濛濛・朦朦・濛々・朦々・・・煙・霧・ほこりなどが、視界が悪くなるほど立ちこめるさま。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
夜空・・・夜の空。
首・頸・頚・・・1.頭と胴体をつなぐ細い部分。頸部(けいぶ)。また、「頭」そのものを指す場合もある。
2.1に似た役割を果たす部分や似た格好の部分。衣服の襟(首にあたる部分)。「びんの首」「セーターの首」など。
3.免職や解雇することをあらわす。首を切るという意味から。
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
・・・1.ウマ科の哺乳動物の総称。古くから耕作・運搬・常用に使う重要な家畜。体が大きく、首・顔が長く、鬣(たてがみ)がある。草食。
2.脚立(きゃたつ)の異称。四方に開いた支脚を有する台。
3.将棋で角の成ったもの。竜馬(りゅうめ)。成り角。
4.「つけうま」の略。遊興費の不払いを取り立てるため客に同行する者。
5.体操で跳馬のこと。またその用具。
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