キリギリスがあちらこちらで、かすれた声をあげて鳴いている。それを聞いているのはひどく息苦しかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:5% 作品を確認(amazon)
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夏
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前後の文章を含んだ引用
......そらした。先日のことを覚えているのか、覚えていないのかわからない。午後の陽が医師の額にあたって、そこに小さな汗粒が幾つも浮いていた。トマト畠の中を通って帰った。キリギリスがあちらこちらで、かすれた声をあげて鳴いている。それを聞いているのはひどく息苦しかった。 洋服屋の前を通りかかった時、私は足をとめた。ガソリン・スタンドの主人が言った言葉を思いだしたからである。ショオウィンドオは相変らず埃に白く汚れている。店のなか......
単語の意味
息苦しい(いきぐるしい)
螽斯・蟋蟀(きりぎりす)
息苦しい・・・1.息をするのが苦しい。呼吸が苦しい。胸に圧迫感があって息が詰まるような感じである。
2.胸を圧迫されるような、重苦しい感じの雰囲気だ。緊張した空気が漂っていて、軽々しい言動などできそうもない雰囲気だ。
2.胸を圧迫されるような、重苦しい感じの雰囲気だ。緊張した空気が漂っていて、軽々しい言動などできそうもない雰囲気だ。
螽斯・蟋蟀・・・1.キリギリス科の昆虫。形はイナゴ似。全体的に緑色で長い触角を持つ。雄は「チョンギース」と鳴く。ぎっちょ。
2.蟋蟀(こおろぎ)の古称。
2.蟋蟀(こおろぎ)の古称。
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やわらかな新緑に体ごと染まってしまいそうな初夏
竹西寛子 / ひとつとや amazon
針一本落としても何かが崩れそうな七月の午後のひと時
川端康成 / 掌の小説 amazon
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梅雨に入って雨ばかり降っている。朝も夜もなく空は灰色に暗く沈んで、一日中部屋の明かりを消すことができない。雨の音は耳鳴りのように絶え間なく、頭の奥で響いている。本当に夏が近付いているのだろうかと、不安になるくらい冷たい雨だ。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
夏の夜は心地よく、そして神秘的な深みをもっていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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