蛍の表現・描写・類語
ささやかな淡い光は、まるで行き場を失った魂のように、いつまでもいつまでもさまよいつづけていた
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
暁の光の中に最後の光を霞のように融けこませ蛍が死んでいく
連城 三紀彦 / 恋文 amazon
炎とも電気とも星や月や太陽ともちがう、これまで見たことのない色と質感の光だった。輪郭があやふやで、触れたときの温度を想像しにくい。冷たいようでも、火傷しそうでもある。そういう光が、ふわふわ漂ったり静止したりしながら、田んぼのあちこちに灯っている。夜を少しだけ照らしだす。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
田んぼの蛍は、このあいだよりも数が増えていた。空の星が落ちてそのまま光る虫になったんだと言われても、そのときの俺は信じただろう。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
森鴎外 / 阿部一族 青空文庫
(蛍の群れ)雪みたいに、螢が飛ぶ
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
この切ない、 哀しいばかりに蒼く 瞬いている光の塊
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
一陣の強風が木立を揺り動かし、川辺に沈澱していた 螢 たちをまきあげた。光は波しぶきのように二人に降り注いだ。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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