一陣の強風が木立を揺り動かし、川辺に沈澱していた 螢 たちをまきあげた。光は波しぶきのように二人に降り注いだ。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:93% 作品を確認(amazon)
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蛍
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......はまだずっと竜夫のベルトを握りつづけたままであった。竜夫は英子に何か言おうとしたが言葉にならなかった。彼は体を熱くさせたまま英子の匂いを嗅いでいた。 そのとき、一陣の強風が木立を揺り動かし、川辺に沈澱していた螢たちをまきあげた。光は波しぶきのように二人に降り注いだ。 英子が悲鳴をあげて身をくねらせた。「竜っちゃん、見たらいややァ……」 半泣きになって英子はスカートの裾を両手でもちあげた。そしてぱたぱたとあおった。「あっち向......
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蛍が、水面を漂う細い糸のような光の筋を曳(ひ)き、解きつほぐれつしながら漂う
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
蛍の火は幽霊じみて見えないでもない
川端 康成 / 千羽鶴 amazon
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川に沿って植えられた樹々の若い葉の匂いがした。その緑色があたりの空気の中にしっくりとにじみこんでいるようだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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