彼の毛の生えた太い指が 芋虫 のように動いていく。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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指の雰囲気・状態
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前後の文章を含んだ引用
......医師は返事をしなかった。私も彼が机の引き出しから気胸針のはいった硝子瓶をとりだし、先端の穴を調べ、ゴム管にとりつけ、麻酔薬の注射をつまむのをジッと見詰めていた。彼の毛の生えた太い指が芋虫のように動いていく。その指先には黒い垢がたまっている。「手をあげて」と彼はひくい声で命じた。 彼の指が私の脇腹の肋骨と肋骨との間を探っていった。針を突きさす場所を確めているのだ。そ......
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(指を絡める)自分の右の五本の指の脇腹に編み込まれた藍子の柔かい五本の肉の若芽が、感覚上一つに纏(まとま)って、何か強力な吸盤のように感じられた。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
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両手を鼻の先に合せて太陽を拝んでいる。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
君はまたひよわそうだな、手なんかそんなに纎(ほそ)い、白桔梗だね。
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