びゅう――と、雪は、大竹藪をなぐっていた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:97% 作品を確認(青空文庫)
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吹雪・暴風雪
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......の錆 十手と、干からびた捕縄をつかみ取ると、 「何方 へ、何方へ」 「お父様っ、聞かして下さい、今のことを」 「ええお前は、黙っていればいい。――あっ裏口が開いている」 びゅう――と、雪は、大竹藪をなぐっていた。 その下を、彼は、若者の如く潜 ッて駆けて行った。藪を出て、一すじの小川を跳ぶと、伊吹の裾につづく関ヶ原の曠野は視野のかぎり、真っ白だ。ただ点々と、黒く見える。足......
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