二人で並んでテレビが点いてるのをぼーと眺めながら、そして黙ってるのやが、なんとなくそれが普通に黙ってる以上に黙ってる感じがどうしてもしてきて、黙りがうるさいというか突き刺さるというか黙りが笑いかけてくるというか
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......ので、そのままじりじりと待ち、緑子は最初のほうこそ、〈お母さん電車まちがえてぎゃくにいってもうたんかも。そういうとこあるもん〉などと書いてわたしに見せていたが、二人で並んでテレビが点いてるのをぼーと眺めながら、そして黙ってるのやが、なんとなくそれが普通に黙ってる以上に黙ってる感じがどうしてもしてきて、黙りがうるさいというか突き刺さるというか黙りが笑いかけてくるというかそういう様子で、玄関の向こう、階段のほうで少しでも音がするとぱっと振り向くが巻子じゃない、というのが何度かあって、何となくテレビの音量を下げるようになり、でもテ......
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大洋のどん底から湧き出すような、重々しい沈黙
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
有島武郎 / 或る女
口が妙に重くて言わないでいた。
梶井基次郎 / 泥濘
(蝉が鳴りしきるお寺で)わたしたちはまるでせみの声に鼓膜を吸い取られたかのように、無口にお寺の精進料理を食べた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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洋画の吹き替えみたいな渋い声
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
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