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近くに焦点があるのにはるか遠くを見通しているかのような目だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:72% 作品を確認(amazon)
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漫然と見る・なんとなく見る
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前後の文章を含んだ引用
......るカーテンは微かにそよぎもしなかった。博士は考えている時と同じ目を、私に向けていた。瞳の黒色が透き通って見えるほどに濃くなり、息を吐くたび睫毛の一本一本が震え、近くに焦点があるのにはるか遠くを見通しているかのような目だった。私はフィレ肉に粉をまぶし、フライパンに並べていった。「何故そうやって、肉の位置をずらす必要があるのだろうか」「フライパンの真ん中と端の方では、焼け具合が違います......
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自分の眼を疑って、二三度パチパチと瞬 きをした。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
ピアノをやめることを惜しいとは思わなかったの? あと一歩というところまで行ったのに」 ミュウはその答えを逆に求めるように、すみれの目をじっとのぞき込んだ。深くまっすぐな視線だった。その一対の瞳の底では、急流の中のよどみのように、いくつかの無言の流れがせめぎあっていた。それらの流れが巻き起こしたものが、本来の場所に落ちつくのにいくらか時間がかかった。 「余計なことをきいてごめんなさい」とすみれは謝った。 「それはいいのよ。ただわたしにもまだうまく話せないだけ」
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(初対面で)天吾の顔を正面から見ているだけだ。見たことのない風景を遠くから眺めるみたいに。たいしたものだ、と天吾は思った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
二組の男女の視線が十字にからんで浮いて揺れる
新田 次郎 / 縦走路 amazon
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