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短い秋を見限ってテラスの真ん中の丸暖炉と、角隅を囲う硝子屏風はもう季節の冬に対しての武装だ。
岡本かの子 / 巴里のキャフェ――朝と昼―― ページ位置:71% 作品を確認(青空文庫)
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初冬・冬の始まり
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......のキャフェたちは、朝の掃除をしまって撒いた赭砂あかすなの一掴みを椅子やテーブルの足元に残している。ソーダの瓶と菓子麺麭パンの籠とが縞のエプロンの上で日の光を受け止めている。短い秋を見限ってテラスの真ん中の丸暖炉と、角隅を囲う硝子屏風はもう季節の冬に対しての武装だ。  乗合自動車オートビユスわだちの地揺れのたびに落ちるマロニエやプラタアヌの落葉。  テーブルの上へ、まだ活字が揮発油で濡れているパリ・ミデイの一版を抛り出して、キャフェの蕭条を......
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この辺りの林は秋が凋落し、冬の景色が進行していた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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