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斎場をあとにすると、彼が死んだという事実の現実感も、知らせを受けた直後の曖昧さにふらふらと 踵 を返してしまいそうになった。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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夢のよう・現実味がない
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前後の文章を含んだ引用
......言葉もかけてやれなかった。確かに多少、肥満気味ではあったものの、本人が腹をさすりながら、笑ってダイエットの決意を語る程度のことで、誰も深刻には考えていなかった。斎場をあとにすると、彼が死んだという事実の現実感も、知らせを受けた直後の曖昧さにふらふらと踵を返してしまいそうになった。 城戸は、自分が今死んだならと考え、その事実を母親から告げられて、驚く颯太の顔を想像した。恐らく、その意味もわからぬまま、「おとうさん、しんじゃったの?」と問い......
単語の意味
曖昧(あいまい)
曖昧・・・はっきりしないこと。明確さに欠けるさま。「曖」も「昧」も訓読みで「くら(い)」と読める。
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彼は恐怖が不意に襲ってくるのを待っていたが、ふしぎに恐怖はまだ心の 何処 からも 湧いてこなかった。拷問や死も少しの実感も伴わない。まるで雨の日に陽のあたる遠い丘を思うような気持で彼はこれからの事を考えた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
何だか自分の事を書いた探偵小説を読んでいるような、夢見ているような気持になって
夢野久作 / ドグラ・マグラ
この誰も知らぬ東洋の町に今、いるということが、夢のようでもあり、いや夢でないのだと思うと、それは奇蹟だと大声をあげて叫びたくなります。本当に私は澳門にいるのか。自分は夢をみているのではないかと、まだ信じられないくらいです。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
(実感がない)殺されるというその言葉が戸田の胸にうつろに響いてはねかえった。殺すという行為は、まだ実感として心にのぼってはいなかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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えたいの知れない想い出が湧いて来る。
梶井基次郎 / 城のある町にて
感覚のどこかがけものみたいに冴えてくる
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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