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(オリーブの薄塩漬け)塩味は、はんなり、ほんのりして、舌をくたびれさせず、すするたびに酒を新鮮にしてくれる。マーティニのなかに沈めてもよく、小皿に盛ったのを一個ずつ爪楊枝に刺してポツポツ食べるのもよろしい。氷をタオルにくるんで手早く金槌で砕いたのを鉢に入れ、そのうえに盛るのも、よく冷えてよろしい。辛口の白ぶどう酒の親友としてもこれは一番である。
開高 健 / 開口閉口 作品を確認(amazon)
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単語の意味
はんなり
手早い(てばやい)
はんなり・・・上品で明るくて華やか。
手早い・・・手でする動作が早い。物事の処理や、仕事が早い。動作がテキパキして素早い。
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口中一杯のスポンジ状のスイカの果肉が、口を閉じるにつれてシャワシャワとつぶれ、甘く冷たいジュースになり、口の底辺部にたまって舌がその中にひたされる。そいつを果肉と共にノドの奥のほうにゴクンと送りこんで飲みこむ。 このとき人間の口中は、圧搾式のジューサーとなっている。 スプーンを使うならば、ケーキ風に切らずに半切りにし、〝道路掘削工事風〟で食べることをお薦めしたい。 ガス管や水道管の工事、あの方式である。楽しさという点ではこれが一番といえる。 まん中を掘り進み、いやいやこっち側も少し掘削せねば、と思い、あれこれ手順を考え、工事現場を任された主任のような心境になる。底のほうから水が滲み出してくるところなども、道路工事に似ている。ときどき底のほうにたまった水を汲みあげなければ、と、主任の心境はいや増す。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
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