それはまるで自分の声には聞こえなかった。どこか遠くからわざわざ運ばれてきた声みたいだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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その他の声・口調(未分類)
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......腕時計をはずしているあいだ、彼女はぴくりとも動かなかった。彼女の背中を見ていると昔のことを思いだした。彼女と出会う以前のことだ。「やあ」と僕は声をかけてみたが、それはまるで自分の声には聞こえなかった。どこか遠くからわざわざ運ばれてきた声みたいだった。予想どおり返事はない。 彼女は眠っているようにも見えたし、泣いているようにも見えたし、死んでいるようにも見えた。 僕はテーブルの向い側に座り、指先で目を押える。......
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アルミニウムをぽあんぽあんとしなわせるような声
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
「なあなあです、みきさん」 俺が言うと、「そやな」とみきさんは笑った。 はじめて使った神去弁は、やわらかく早春の空気に溶けた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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(子どもの)おとなびた 節廻しが、その歌の持つ 侘しさに拍車をかけていた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
岡本かの子 / 母子叙情
「それが、わたしに話したかったこと?」 早苗は、その一言に反発し、押し返そうとする力が余って、これまで言い淀んでいた言葉を、とうとう口にした。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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