月明かりに照らし出されたゴルフ場の芝では何千匹という秋の虫が折り重なるように鳴き続けている。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:35% 作品を確認(amazon)
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虫の音
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前後の文章を含んだ引用
......りと眠った後で僕は目覚めた。午前三時。不自然なほど明るい秋の月が便所の窓から見えた。台所の流しの端に腰をかけ水道の水を二杯飲み、ガステーブルで煙草に火を点ける。月明かりに照らし出されたゴルフ場の芝では何千匹という秋の虫が折り重なるように鳴き続けている。 僕は流しのわきに立てかけられた配電盤を手に取り、しげしげと眺めてみた。どれだけひっくり返してみても、それはただの薄汚れた意味のないボードにすぎなかった。僕はあ......
単語の意味
月明かり(つきあかり)
月明かり・・・月光。月の光。また、月の光で明るいこと。
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虫の音の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(みみず)暗い土の上に水のような色でも広がるように、じいいという煙のような声が立ち浸みている。
鈴木 三重吉 / 桑の実 amazon
何万という虫の声が地鳴りのように湧き起こる草原や林だけになった。《…略…》虫だけが地表を被いつくしていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
虫たちの声が地の底からうねってきた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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蜘蛛が毬(まり)のようになってぶらさがる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
羽音は眠くなるほど懐かしい
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
拳でどんと叩くと、木の葉のようにぱらりと落ちて
川端 康成 / 雪国 amazon
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