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死が間近に迫っているかもしれぬということは 理窟 ではわかっていたが、ふしぎに感情がそれに伴わなかった。  いや、死はやはり間近に迫っていた。(牢番の)いびきがやむと、 凄まじい夜の静寂が司祭の周りを囲んだ。夜の静寂とはかすかな物音もたたぬということではなかった。闇が木立をかすめる風のように、死の 怖 ろしさを突然、司祭の心に運んできた。両手を握りしめて彼はあ、あっと大声で叫ぶ。すると怖ろしさは引潮のように去っていく。それからまた押し寄せる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:77% 作品を確認(amazon)
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死の恐怖
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前後の文章を含んだ引用
......でも考えていまい」 逃亡の意志などは今更、毛頭なかったが、ただ気をまぎらわすために戸を両手で押してみると、閂は外側からしっかりとしめられて、びくとも動かない。 死が間近に迫っているかもしれぬということは理窟ではわかっていたが、ふしぎに感情がそれに伴わなかった。 いや、死はやはり間近に迫っていた。鼾がやむと、凄まじい夜の静寂が司祭の周りを囲んだ。夜の静寂とはかすかな物音もたたぬということではなかった。闇が木立をかすめる風のように、死の怖ろしさを突然、司祭の心に運んできた。両手を握りしめて彼はあ、あっと大声で叫ぶ。すると怖ろしさは引潮のように去っていく。それからまた押し寄せる。懸命に主に祈ろうとしたが、心を途切れ途切れにかすめたのは、「血の汗を流した」あの人の歪んだ顔だった。今はあの人が自分と同じように死の恐怖を味わったという事実も、......
単語の意味
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
大声(おおごえ・たいせい)
鼾(いびき)
静寂(せいじゃく)
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
大声・・・1.(「おおごえ」「たいせい」と読んで)大きな声。 ⇔ 小声(こごえ)。
2.(たいせいと読んで)高尚な音楽。上品な音律。
3.(たいせいと読んで)偉大な道理を含んだ言葉。
・・・寝ているときに呼吸とともに鼻や口から出る、うるさい音。
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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死の影に怖れていたのだ。手術のあとに死が自分を捉えにくると思っていた。
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遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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