混ぜご飯は、手軽に作れ、気迫をこめてざくざく食べられるところに醍醐味がある

ホタテのうまさがご飯に沁みているのに、ホタテそのもののうまさがまだ残っている

きのこがご飯と渾然一体となって森林の香りをかもし出し、鶏肉と油揚げによるコクと旨味がご飯にしみている

うなぎの蒲焼が崩れぬようにさらりと混ぜ合わせる

鰻はもとよりご飯の一粒一粒に鰻の精が移りたっぷりと沁みている

濃厚な魚介や鶏のスープをごはんがたっぷり吸い込んで、旨みが抜群

本来重く粘りつくご飯が、湯や茶に出会うとなぜか粘り気を失って、その温かな液体の中でサラサラと動き、軽々と喉の奥へ送り込まれていく。茶漬けはそういう軽い流れが心地いい。

このハヤシライスはこってりと煮込んだのではなく、客へ出す間際に肉と野菜をさっと炒めブラウンソースを合わせている

（冷や汁）口の中のある部分は冷たさを感じ、舌では温かさを感じる。そして、この温度差のある味わいは混ざる間もなく喉を通過していく。熱すぎず冷たすぎず、かといってぬるいというわけでもない。本当に不思議な食感だ。

ご飯のうまさはほろほろこぼれ