永久に、中有 の闇へ沈んでしまった。
芥川龍之介 / 藪の中 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
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死ぬ
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前後の文章を含んだ引用
......はそこに倒れたまま、深い静かさに包まれている。 その時誰か忍び足に、おれの側へ来たものがある。おれはそちらを見ようとした。が、おれのまわりには、いつか薄闇 が立ちこめている。誰か、――その誰かは見えない手に、そっと胸の小刀 を抜いた。同時におれの口の中には、もう一度血潮が溢 れて来る。おれはそれぎり永久に、中有 の闇へ沈んでしまった。……… (大正十年十二月)
単語の意味
永久(えいきゅう・とわ・とこしえ)
永久・・・いつまでも変わらず続くこと。永く久しい(=時間が経過している)こと。
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一度死んでしまえば、それ以上失うべきものはもう何もない。それが死の優れた点だ。
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