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眼で見ていながら信ずる事が出来ない
夢野久作 / あやかしの鼓 ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
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夢のよう・現実味がない
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前後の文章を含んだ引用
......子爵未亡人……そうしてあの美しい化粧室、あの薄気味のわるい病室、皮革 の鞭、「あやかしの鼓」――何という謎のような世界であろう。何というトンチンカンな家庭であろう。眼で見ていながら信ずる事が出来ない――。 こんなことを考えて歩いているうちに、私はふと自分の懐中が妙にふくらんでいるのに気が付いた。見れば今しがた玄関で若先生が押し込んだ菓子折の束がのぞいてい......
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(現実感なくぎこちなく歩く)身体が浮き上がっている感じはまだ続いている。駅からここまで歩く間も、靴の底と地面との間が三センチほどあいているようでどこか心もとない。不可解な劇中劇を強制的に演じさせられている大根役者みたいだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(現実感がない)食事の間じゅう、十和子は一種の浮揚感につきまとわれている。椅子にすわってものを食べている身体から少し浮き上がったところに自分がいるような、あるいは、いつか水島に贈ったガラスのペーパーウェイトのなかのあの気泡によく似たものが、しきりと体内から逃れ出ようとしているような、そんな感じ。無重力とはいわないが、宇宙船の内部の人工的に作りだされた重力場にいる、そんなぎこちなさ。《…略…》夢だ。こんなふうにどうしても身体が浮いているのが夢であることの証拠だ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
すべてが活動写真を見ているようで
夢野久作 / あやかしの鼓
(現実感がない)何を話しても、捉えどころのない非現実感が言葉の背後から滲み出てくる。だが当然ながら、これは夢などではない。これは終わりで、黒崎との終わりもそうだったように、終わりはなぜかいつも夢に似ているのだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
センチメンタルな少女らしい夢
林芙美子 / 新版 放浪記
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