TOP > 人物表現 > 服装・身なり > 服装・身なり(女性)
(50代半ばの女性教師の服装)いつ作られたのかは見当もつかないが、いずれにせよそれが作られたときから既に流行遅れだったのではないかとおぼしきウールのスーツには、防虫剤の匂いが微かに漂っていた。色はピンクだが、どこかで間違った色を混ぜ込まれたような、不思議なピンクだった。おそらくは品の良い落ち着いた色調が求められていたのだろうが、意図が果たせぬまま、そのピンクは気後れと韜晦(とうかい)とあきらめの中に重く沈み込んでいた。おかげで、襟元からのぞいている真新しい白いブラウスは、まるで通夜に紛れ込んだ不謹慎な客のように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
服装・身なり(女性)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
単語の意味
色調(しきちょう)
気後れ(きおくれ)
色調・・・色の濃い、薄い、明るい、暗いといった具合。色のトーン。
気後れ・・・周りの雰囲気におされて心がひるむこと。怖気づいてオドオドする。
ここに意味を表示
服装・身なり(女性)の表現・描写・類語(服装・身なりのカテゴリ)の一覧 ランダム5
キャンディーの包装紙のような服を着た女の子
伊藤 整 / 火の鳥 amazon
このカテゴリを全部見る
「服装・身なり」カテゴリからランダム5
背広を着てネクタイを締め、いかにも信用のおける風体を装わなければなるまい。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
胸にレースを波たたせた水色の事務服
林芙美子 / 新版 放浪記
着物については無知だったが、質のいい 縞柄 を地味に律義に着こなしているという気がした。水商売を思わせるところがなかった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
女子が綺羅 を飾るの性癖をもってその天稟 の醜を蔽 うの陋策 にもとづくもの
夏目漱石 / 吾輩は猫である
同じカテゴリの表現一覧
服装・身なり の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ