(刀で切られた死体が)ゆっくりと引っ張っていく。すると黒い血がどこまでもその死体から帯のように流れていった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:57% 作品を確認(amazon)
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出血・流血
血痕
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前後の文章を含んだ引用
......みついた時は、処刑を終った役人が、鋭く光った刀をおさめる時だった。片眼の男の死体は地面にうつ伏せに倒れていた。その足を引きずって、番人が、信徒たちに掘らせた穴にゆっくりと引っ張っていく。すると黒い血がどこまでもその死体から帯のように流れていった。 突然、高い女の叫び声が、牢屋から起った。叫び声はまるで唄でも歌っているように続いた。それが消えるとあたりはひどく静寂で、ただ格子にしがみついた司祭の手が痙攣し......
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出血・流血の表現・描写・類語(骨・内臓のカテゴリ)の一覧 ランダム5
口を押さえたホースから、水が飛び散るように血が噴き出した。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
血が、水面に毛糸を浮かべたように線になって走る
水上 勉 / 雁の寺 amazon
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血痕の表現・描写・類語(骨・内臓のカテゴリ)の一覧 ランダム5
軍服についた血が、眼に刺さるように、へんにきつく濃い色に映じる。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
(血痕は)、窓をあけると同時に飛び翔った蝶が、窓枠に残して行った鱗粉のようなものにすぎなかった
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
宿のシーツは、恥ずかしい血痕の花弁を点々と散らした。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
血痕でもついたのがそのまま斑 に錆 びたかのような十手
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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「骨・内臓」カテゴリからランダム5
(血液は、)働き者の心臓が提供するふいごの力によって、血管をつたって全身へと誠実に送り届けられた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
傷口から迸 る血潮は、石垣の隙間を漏れる泉のように滾々 として流れ始める
横光利一 / 日輪
死骸のまわりの竹の落葉は、蘇芳 に滲 みたよう
芥川龍之介 / 藪の中
横面を射ち抜かれたらしく、両方の鼻孔から盥(たらい)の水でもあけるように、血が迸り出た。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
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