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岸の土から石油らしい黒い液体が、 艶 のある雑色の模様を浮べて 滲み出て、流れに達することなく、砂に吸い込まれていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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オイル・石油
きたない(よごれ・シミ)
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前後の文章を含んだ引用
......、どぎつく陽を照り返しているばかりであった。常夏の国の天然の恵みに関する、北方人の空想を私は嘲った。 褐色の石がごろごろした河原を、私はどこまでも下って行った。岸の土から石油らしい黒い液体が、艶のある雑色の模様を浮べて滲み出て、流れに達することなく、砂に吸い込まれていた。 川は次第に広く、岸に草原が発達して、芒が輝き出した。人間のように群がって、河原の最もささやかな堆土にも、根を下しに来た。繊毛が風に立ち、花穂の周囲に戯れて、そ......
単語の意味
艶(つや)
土(つち)
砂(すな)
艶・・・1.物の表面に感じられる、なめらかで、美しく光る印象。
2.声などに張りがありなめらかで美しいこと。
2.声などに張りがありなめらかで美しいこと。
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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ワーゲンの後部座席には彼の息子がこすりつけたらしいミルク・チョコレートのしみが、まるで銃撃戦のあとの血痕のように一面にしみこんでいた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
灰色のしみが雨雲のようにべったりはりつく
大原 まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
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一寸指先を動かせば、それですんでしまう些事かもしれなかった。
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
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