TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 言葉を飲み込む・言いかけてやめる
訊いてみたいのだが、言おうとするといつも体が 火照ってくる。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
言葉を飲み込む・言いかけてやめる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......のかき氷を、信雄と男は向かい合って食べた。信雄は男の顔にある火傷のあとをそっと見た。左の耳が熔けたようになってちぎれていた。信雄は、おっちゃんの耳どないしたんと訊いてみたいのだが、言おうとするといつも体が火照ってくる。「終戦後十年もたつ大阪で、いまだに馬車では稼ぎもしれてるわ」「トラック買うてほんまかいな?」 晋平が男の横に腰かけて訊いた。「中古やで。新車なんかよう買わんさか......
単語の意味
体(からだ)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
ここに意味を表示
言葉を飲み込む・言いかけてやめるの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
かえりやがれ、安西、かえりやがれ、彼のこのさけびは 咽喉 のところでとまっていた。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
何か意見を言おうとしたが、思い直してやめた。その意見は口にされないまま、もとあった場所にひっそりと沈み込んでいった。どこだかわからないが、深くて暗いところだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
和弥さんは立ったまま両手を腰に当て、上を向いたり、足元を見たり、私に言おうかどうかを迷っているふうに見えます。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
咽 元 に出かかった言葉を、三太は何度も 呑み下した。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
何かを言わなくてはと天吾は思う。しかし言葉は出てこない。彼の唇は微かに動いて、相応しい言葉を空中に探し求める。でもどこにもそんなものは見つからない。さすらう孤島を思わせる白い吐息のほかに、唇のあいだから出てくるものはない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
気合いをかけるような挨拶
井伏 鱒二 / 遥拝隊長「山椒魚・遙拝隊長 他7編 (岩波文庫 緑 77-1)」に収録 amazon
彼女の関心はある一点に集中されていて、たとえ自分が名を呼んでも、まるで盲目の少女のように振り向いて不思議そうな顔をするだけのように思われた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
言葉を交わす の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ