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いつ忘れてもおかしくないくらい、遠くてあやふやな記憶だった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:74% 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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......た。 半分のシュークリームを白い箱の中で潰した時の柔らかさや、ポリバケツのグロテスクな食べ物にシュークリームがなじんでゆく様を、昔見た夢のように思い出していた。いつ忘れてもおかしくないくらい、遠くてあやふやな記憶だった。 しかし、外のざわめきはどんどん広がって無視できない騒ぎになっていった。眠りの深いレイ子までもが目を覚まして、上のベッドから身を乗り出してきた。「何かあったんで......
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