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今はこれでいい気がする。でも同じところをぐるぐるまわっているようにも思える。《…略…》ときどきこうした迷路に入ると何もかもが遠く外側のことに思えて実感や喜びや苦痛が失われる。 私の悲しみも、私の美学も、箱庭の中で展開するだけだ。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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人生の岐路・人生に迷う
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前後の文章を含んだ引用
......思いながら彼は日常にそれをとりいれて人生の重みに溶けていく。 私はそこに飽きて、祭壇を幾つもつくってそのなかに自分をおこうとする。どちらがりこうかわからないが、今はこれでいい気がする。でも同じところをぐるぐるまわっているようにも思える。この迷いはたぶん、すごい豪華な結婚式をして、喜びに泣く両親を見ても、出産してよそにはない自分だけの子供の重みをこの腕に抱いても消えないだろう。 時代のせいなのか、自分の性質のせいなのか、もとはあったものがなくなったのかよくわからない。ときどきこうした迷路に入ると何もかもが遠く外側のことに思えて実感や喜びや苦痛が失われる。 私の悲しみも、私の美学も、箱庭の中で展開するだけだ。……何と半端な存在なのだろう。 果てしなく落込んだ気分になった。 多分、過去の亡霊が最後の力をふるったのだった。暗いチャンネルに巻き込まれたのだ。 土曜日の昼間......
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いま二十六歳で二十代とも三十代ともちがう変な場所に迷い込んでいます。生命力のかたまりは、すみっこのほこりっぽい角にぶつかり、急に止まってどちらへ動いたらいいものか、と迷ったままその場に待機し続けているのです。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
今はこれでいい気がする。でも同じところをぐるぐるまわっているようにも思える。《…略…》ときどきこうした迷路に入ると何もかもが遠く外側のことに思えて実感や喜びや苦痛が失われる。 私の悲しみも、私の美学も、箱庭の中で展開するだけだ。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(指導者を失った信徒)海図を失った 嵐 の海の船。それがおそらく今の日本の信徒たちの気持でしょう。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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いつかまた、悪い時期が来るだろうし、楽になった分、反動とか落ち込みもひどいだろう。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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