(クレープ屋の前でデートの待ち合わせ)わたしたちはいつも、甘いクリームとバニラエッセンスの匂いの中で会った。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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......間が近づくと、一刻一刻がずきんずきんと音を立てて胸に刺さってくるようだった。約束がなくても、そのクレープ屋を通り過ぎる時には、胸に響く音が聞こえてきそうだった。わたしたちはいつも、甘いクリームとバニラエッセンスの匂いの中で会った。「それが一体、何になるんだろう。」 と、わたしは声に出して言ってみた。別に、何にもならなかった。隣の部屋の赤ん坊の泣き声が、ベランダ伝いに聞こえてきただけだった......
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(二人の)指と指とは時計の歯車のように深く組み合わされて離れません
永井荷風 / 踊子 amazon
ぴかぴかの髪も、おろしたてみたいに見える帽子も服も、すくなくとも今日だけは、俺に見せるためのものだったのかもしれない。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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処女を捨てたいからって好きでもない人としたら、たぶん終わってすぐは普通だけど、だんだん取り返しがつかないほど後悔してぶつぶつひとりごとを言うようになり、自分の貞操を探して毎夜、上野公園の不忍池の辺りを這いずりまわる人生になるだろう。処女とは私にとって、新品だった傘についたまま、手垢がついてぼろぼろに破れかけてきたのにまだついてる持ち手のビニールの覆いみたいなもので、引っ剥がしたくてしょうがないけど、なんか必要な気がしてまだつけたままにしてある。自然にはがれたらしょうがないけれど、無理やり取っぱらうのは忍びない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
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