自分の恋人が同じ朝と夜、同じ時間の流れの中に同時にいると思うだけで、いつもの夕方も甘く見える。電話をしても、のびのびと話せる。 夜が静かで長く感じられる。 ふだん淋しいと思いたくなくて無理して 麻痺 させていた感覚が、ひとつひとつ開いていくのが目に見えるようだ。 季節の陽を受けた花のように、静かに、確実に。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
デート
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......京に向かう車の中でぐーぐー寝ているうちに百年の愛も覚めてはやくお風呂に入って寝たい、と思うようになるのが常だ。だから、帰国の日も迎えにいかなかった。 それでも、自分の恋人が同じ朝と夜、同じ時間の流れの中に同時にいると思うだけで、いつもの夕方も甘く見える。電話をしても、のびのびと話せる。 夜が静かで長く感じられる。 ふだん淋しいと思いたくなくて無理して麻痺させていた感覚が、ひとつひとつ開いていくのが目に見えるようだ。 季節の陽を受けた花のように、静かに、確実に。 それで私は彼の帰国の翌日、ホテルに会いにいった。 昔、子供の頃、父が海外出張して帰ってくるのが好きだった。外国から帰ってきた人はみんなどこか張り詰めていて、い......
ここに意味を表示
デートの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
君は二週間にいっぺん舞い込んでくる蝶々みたいでさ、僕のまわりをひらひら踊っててすごく可愛かった。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
(二人の)指と指とは時計の歯車のように深く組み合わされて離れません
永井荷風 / 踊子 amazon
ぴかぴかの髪も、おろしたてみたいに見える帽子も服も、すくなくとも今日だけは、俺に見せるためのものだったのかもしれない。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二人の仲が恋に発酵する
岡本 かの子 / 花は勁し amazon
一寸民子の姿が目に触れれば気が落着くのであった。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
彼女と出会って以来、侵食されて来た自分の心の大きさを感じずにはいられない。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
サユリに取り憑かれることが今の自分のすべてなんだから。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ