一事件を経 る度に二人が胸中に湧いた恋の卵は層 を増してくる。機に触れて交換する双方の意志は、直 に互いの胸中にある例の卵に至大な養分を給与する。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:17% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......り立って、こっちを見て居る。民子は小声で、 「お増がまた何とか云いますよ」 「二人共お母さんに云いつかって来たのだから、お増なんか何と云ったって、かまやしないさ」 一事件を経 る度に二人が胸中に湧いた恋の卵は層 を増してくる。機に触れて交換する双方の意志は、直 に互いの胸中にある例の卵に至大な養分を給与する。今日の日暮はたしかにその機であった。ぞっと身振いをするほど、著しき徴候を現したのである。しかし何というても二人の関係は卵時代で極 めて取りとめがない。人に見られて......
単語の意味
胸中(きょうちゅう)
胸中・・・胸の中。胸のうち。心の中。心に思っていること。
ここに意味を表示
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蒔野は、自分の中にある、洋子に愛されたいという感情を、今はもう疑わなかった。胸の奥に、白昼のように 耿 々 と光が灯っていて、その眩しさをうまくやり過ごすことが出来なかった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
恋心の火は火力を調節できないからこそ尊い
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
「シンイチ好き」 サユリがそう 囁くのと同時にシンイチは鋭い叫び声を上げた。それが、今までの沈黙と反比例するほどに大胆であったため、もう死人のふりができなくなった。彼女は天を振り仰ぐシンイチの 顎 を見上げながら、雨乞いの儀式を思い浮かべた。 荘厳だわ。サユリの目は感動のために 潤んだ。これはファックではないわ。これこそメイクラブというものなんだわ。彼女はシンイチの体をもう一度撫でた。ミサ曲が流れてもおかしくはないおごそかな雰囲気がベッドのまわりに漂っていた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
結婚はそもそも欺瞞を孕(はら)んだ幻想
玉村 豊男 / 文明人の生活作法 amazon
邦彦にとっては初めてのことなのに、女の唇の感触は、何度も何度も味わってきた 懐しいもののひとつのように思えた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ