エゾマツの葉が緑のまま落ちるとき、音階にならない音がする。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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枯れ葉・葉が散る
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前後の文章を含んだ引用
......撫でる。梢でカケスが鳴いている。懐かしい、と感じていることに戸惑う。忘れていたのか。心はここを離れていたのか。風が吹いて、森の匂いがする。葉が揺れ、枝が擦れる。エゾマツの葉が緑のまま落ちるとき、音階にならない音がする。幹に耳を当てると、根が水を吸い上げる音がかすかに聞こえる。カケスがまた鳴く。 知っていた。知っている。叫び出したくなるような気分だった。エゾマツの鳴らす音を、僕......
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岡本かの子 / 巴里のキャフェ
踏むたびに、くしゃりと、葉っぱが粉になる音がした。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
黄色に染まった空から黄金色の枯葉を雨のふるように落していた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
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秋の陽はつるべ落としで、黄ばんだ陽が白く乾き、波のうねりがひどく凄じくなって来た。
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
(やんま)翡翠 の大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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