TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 言葉につかえる・言葉を探す
これは、あれだ、と轟は言って、つかえた。言葉を探している。四十を過ぎているようには見えるが、頭の中で言葉を必死に搔き集めている様子は、どうにも貫禄がない。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
言葉につかえる・言葉を探す
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......に乱反射する日差しが、川自身が発光していると勘違いさせるほどだった。川底までは深くなく、水中は透けて見える。「ブロックなんて、何に使うんだよ」と日比野が言う。 これは、あれだ、と轟は言って、つかえた。言葉を探している。四十を過ぎているようには見えるが、頭の中で言葉を必死に搔き集めている様子は、どうにも貫禄がない。「優午に頼まれてなあ、持っていくんだ」ずいぶん時間がかかってから、轟が答えた。「優午に? どこに持っていくんだよ」 日比野が質問を重ねると、また黙ってしまう。キ......
単語の意味
轟(とどろ)
轟・・・轟(とどろ)くさま。雷鳴や大砲のような大きな音が広い地域まで鳴り響くさま。大きな音が遠くから「どどんどどん」と耳に届くさま。
ここに意味を表示
言葉につかえる・言葉を探すの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
言うべきことがあるのに、どうしても言葉にならない。無理に口を開こうとすると、愛や恋や運命について、映画や小説のなかで百万遍使われて擦り切れてしまった言葉ばかりが喉に出かかる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
もし、陣治がこのまま帰ってこなければ、自分はいったい――。《…略…》いったい、の後の空白が埋まらない。言葉が浮かばない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「あなたは、難儀に苦しんでいらっしゃいませんか」《…略…》わたしは何とか彼の質問にうまく答えてみようとした。心の中で、なんぎ、という言葉をつぶやいてみた。それは聞き慣れない哲学用語のように、つかみどころがなかった。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
喉から腸(はらわた)を引きずり出すような覚悟で言う
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
同じカテゴリの表現一覧
言葉を交わす の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ