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わたしは、教室の軒に何カ月もぶら下げられたまま忘れられ、茶色くパリパリになってしまったドライフラワーのような子供だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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忘れ去られる・関心を持たれなくなる
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前後の文章を含んだ引用
......させたり、声が小さすぎたり、沈黙が長すぎたりした。喋ることは、わたしに切ない後悔をもたらした。だから、唇がすっかり乾いてしまうくらい長い時間、いつも黙っていた。わたしは、教室の軒に何カ月もぶら下げられたまま忘れられ、茶色くパリパリになってしまったドライフラワーのような子供だった。 そんなわたしのことをK君がちゃんと憶えていてくれ、そのうえ声までかけてくれたことは、わたしを少しどぎまぎさせ緊張させた。わたしたちは、並んで坂を下りた。「この......
単語の意味
軒(のき)
軒・・・屋根の端の下にさがった部分で、建物の外壁より突き出ている部分。
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忘れ去られる・関心を持たれなくなるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
フライパンの中で、すっかり冷めてしまったベーコンエッグが息をひそめていた。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
事件の輪郭は徐々に崩れて来て、ぼんやりし、あいまいになり、風化し、解体した
三島由紀夫 / 真夏の死 amazon
花の盛りが過ぎてゆくのと同じように、いつの頃からか筧にはその深祕がなくなってしまい、
梶井基次郎 / 筧の話
わたしは、教室の軒に何カ月もぶら下げられたまま忘れられ、茶色くパリパリになってしまったドライフラワーのような子供だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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遠い祖先の代から連綿と意識下に伝わってきたような記憶
池澤 夏樹 / シネ・シティー鳥瞰図 amazon
姿が一枚の写真のようにはっきりと浮かんでくる
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
風景が時の襞(ひだ)に吸い込まれた風化する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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女の髪も着物の柄も、新しくなったりふるくなったり波のように起伏したけれど
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
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