一匹の 油 蟬 がさきほどから、眠りを誘うような声で鳴いている
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:52% 作品を確認(amazon)
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蝉(せみ)
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前後の文章を含んだ引用
......なかった。彼はその場面を、毎日、まるでピラトと基督のそれのように劇的に想像していたのである。群集が叫び、ピラトは迷い、基督は沈黙したまま立っていた。だがここでは一匹の油蟬がさきほどから、眠りを誘うような声で鳴いているだけだった。いつも午後はそうだが、信徒たちの牢舎もひっそりと静まりかえっていた。 番人に湯をもらい体をぬぐうと木綿の下着にゆっくりと腕を通した。布の心地よい感触......
単語の意味
蝉・蟬(せみ)
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
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蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(蝉の)羽全体が植物の芽生えに髣髴(ほうふつ)していた。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
林の中で 喘ぐように 初 蟬 の声が聞え
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
蟬 が病室のむこうで息ぐるしい程、鳴いていました。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
何万という虫の声が地鳴りのように湧き起こる草原や林だけになった。《…略…》虫だけが地表を被いつくしていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
有島武郎 / 或る女
赤蜻蛉の羽がまるで銀の雨の降るように見えたんです。
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
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