波止場に船が着いたのか、汽笛の音がしている。波止場の雑音が、フッと悲しく胸に聞えた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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漁港・波止場
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前後の文章を含んだ引用
......り。切符を買って、あと五十銭玉一ツの財布をもって、私はしょんぼり、島の男の事を思い出していた。落書だらけの汽船の待合所の二階に、木枕を借りて、つっぷしていると、波止場に船が着いたのか、汽笛の音がしている。波止場の雑音が、フッと悲しく胸に聞えた。「因の島行きが出やんすで……」歪 んだ梯子段を上って客引が知らせに来ると、陽にやけた縞のはいった蝙蝠 と、小さい風呂敷包みをさげて、私は波止場へ降りて行った。 「ラム......
単語の意味
汽笛(きてき)
胸(むね)
汽笛・・・機関車や蒸気船などの、蒸気を吹き込んで音を出す笛。
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桟橋と船に渡した渡し子
林芙美子 / 新版 放浪記
マルセイユの古い港、そこはコの字型になっていて、大小さまざまのレストランが軒をつらねている。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
港といっても黒い小石をつみかさねた舟着場が一つあるだけで、浜辺には頼りなげな小舟が二 隻、引き揚げられている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
ベルトコンベヤーは沈黙の帯のように、しんと静止していた。
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