港といっても黒い小石をつみかさねた舟着場が一つあるだけで、浜辺には頼りなげな小舟が二 隻、引き揚げられている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:45% 作品を確認(amazon)
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漁港・波止場
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前後の文章を含んだ引用
......眼を伏せて四人が通りすぎるのをじっと見まもっていた。 部落をすぎると、畠が続く。道はくだり坂になり、塩からい風がやっと司祭の肉のそげ落ちた頰をなぜる。すぐ真下に港といっても黒い小石をつみかさねた舟着場が一つあるだけで、浜辺には頼りなげな小舟が二隻、引き揚げられている。番人たちが丸太をその舟の下に並べている間、司祭は、砂の中から桃色をした貝殻を拾いあげてそれを手で弄んだ。それは今日一日のうち、はじめて彼が見た美しいものであった......
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