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(思い出話)乙松は半世紀分の愚痴や自慢を、思いつくはしから口にした。  それらは古ぼけた制服の胸ふかく、たとえば機関車の油煙の匂いや炭ガラの手ざわりとともに、 おり のように凝り固まっている記憶だった。ひとつの出来事を語るたびに、乙松の心は確実に軽くなった。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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......、音も光もない純白に埋ずもれた。 少女は決して饒舌ではなかったが、老駅長の語る思い出話を、いちいち感動をこめて聞くのだった。自分でもどうかしていると思いながら、乙松は半世紀分の愚痴や自慢を、思いつくはしから口にした。 それらは古ぼけた制服の胸ふかく、たとえば機関車の油煙の匂いや炭ガラの手ざわりとともに、澱のように凝り固まっている記憶だった。ひとつの出来事を語るたびに、乙松の心は確実に軽くなった。 特需景気に栄えた時代。駅舎が死体で一杯になった炭鉱事故。機動隊がやってきた労働争議。そして灯の消えるように、ひとつずつ閉められていった山。 一番つらかったこと......
単語の意味
澱(おり)
胸(むね)
・・・液体の底に沈んだカス。
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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