風が澄んだ音をたてて凍りつくような、冷たい夜だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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冬の夕方・夜
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冷めない紅茶 その夜、わたしは初めて死というものについて考えた。風が澄んだ音をたてて凍りつくような、冷たい夜だった。そんなふうに、きちんと順序立てて死について考えたことは、今までなかった。 確かにそれまでにも、わたしの周りにいくつかの死はあった。 小学生の頃弟と一緒に飼っていた熱帯魚は、よくあっさりと死んだ。その死骸を、わたしたちはたいてい朝発見した。わたしよりも早く......
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冬の夕方・夜の表現・描写・類語(冬のカテゴリ)の一覧 ランダム5
金星が寒い夕空に光っていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
冬の夕方の空が硝子のような色をする
大仏次郎 / 雪崩 amazon
みぞれまじりの、空気が歯にしみるような寒い夕暮れ
宮部みゆき / たった一人「とり残されて」に収録 amazon
息が、白く、冬の夜の闇に見えた。
吉川英治 / 無宿人国記
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「冬」カテゴリからランダム5
氷柱の簾が檐(のき)に下っており、銀の大蛇のように朝の光線に輝いている
徳田 秋声 / 縮図 amazon
つららが何本も何本もじゅずのようになってかかる
宮沢 賢治 / なめとこ山の熊 amazon
冬の午後の淋しい灰色の光が斜めに差す
倉橋由美子 / ポポイ amazon
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