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この原始の自然があまりに、私たちの自然と感じ慣れているものより差違があり、この現実が却 って、百貨店の催しものの、造り庭のように見え、
岡本かの子 / 河明り ページ位置:74% 作品を確認(青空文庫)
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夢のよう・現実味がない
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前後の文章を含んだ引用
......水に曳 いて動くのが見えた。また、その周囲にそれも生きものが泳ぐのかと思われるほどの微 かな小さい渦が見える。 「は は は 子供を連れとる」 私の気持ちはというと、この原始の自然があまりに、私たちの自然と感じ慣れているものより差違があり、この現実が却 って、百貨店の催しものの、造り庭のように見え、この南洋風景図の背景の前に、鰐 がいるのは当然の趣向に見え、もう少し脅 えたい気持ちをさえ自分に促した。鰐に向ける銃声の方が本当の鰐に対するより却って私たちを驚かし......
単語の意味
催す(もよおす)
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夢のよう・現実味がないの表現・描写・類語(ものの性質・特徴のカテゴリ)の一覧 ランダム5
今この瞬間が夢でないとすると、さっきまでのあれは夢にちがいない。あれが夢でないのなら、今夢を見ているのだ。どっちでもいいから、どっちかであってほしい。もし両方が現実であれば世界は真っ二つに割れるだろう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(実感がない)殺されるというその言葉が戸田の胸にうつろに響いてはねかえった。殺すという行為は、まだ実感として心にのぼってはいなかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
(現実感なくぎこちなく歩く)身体が浮き上がっている感じはまだ続いている。駅からここまで歩く間も、靴の底と地面との間が三センチほどあいているようでどこか心もとない。不可解な劇中劇を強制的に演じさせられている大根役者みたいだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
彼は恐怖が不意に襲ってくるのを待っていたが、ふしぎに恐怖はまだ心の 何処 からも 湧いてこなかった。拷問や死も少しの実感も伴わない。まるで雨の日に陽のあたる遠い丘を思うような気持で彼はこれからの事を考えた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
すべてが活動写真を見ているようで
夢野久作 / あやかしの鼓
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(現実感なく食べる)一口かじる。噛みとった肉から、今までに食べたどんな肉よりも肉らしい臭気と香味が溢れ出て口中にひろがる。まるで肉ではなく肉の記憶を口いっぱいに味わっているとでもいうような。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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