バセドー氏病を思わせる大きなつき出た眼
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置：37% 作品を確認（amazon）
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突出した目
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......う。第三十六号。」看守が声を和らげて言った。私にはその幾らか円みのある、発音の明瞭な声で、それが花岡という図書係をしている看守であるということがすぐ解った。彼はバセドー氏病を思わせる大きなつき出た眼と高い鼻をもった色の白い四十前後の看守であった。彼は以前大阪市内でチェーンストア式の喫茶店を経営していたが、企業整備で事業を中止し、徴用逃れのために刑務所にきて......
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バセドー氏病を思わせる大きなつき出た眼
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