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犬の遠吠えがしきりに聞こえて十和子の眠りを妨げる。《…略…》だが、あれは犬ではない。犬の鳴き声など聞こえるわけがない。陣治が喚いているのだ。おんおんわあわあと引きずる声
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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泣き声
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......。短い指のどの爪にも黒い垢がたまっている。「ほんまに聞きとなったらいつでも言うて。何もかも全部、話すから」 静かすぎるほどの声で言って、十和子はドアを閉める。 犬の遠吠えがしきりに聞こえて十和子の眠りを妨げる。 カーテンの隙間から薄い夜の光が差し込むいつもの部屋に、こうしてまたぽっかりと目覚めたこと、これからも何度も目覚めるだろうことがひどく辛い。 いつものように、最初に感じるのは不安だ。どこからともなく忍び込んでくる不安が闇そのもののように部屋に漂っている。しばらくの間目だけ開いて、意識にもとどめず犬の声を聞いている。 だが、あれは犬ではない。犬の鳴き声など聞こえるわけがない。陣治が喚いているのだ。おんおんわあわあと引きずる声のところどころに、ああ、痛い、ああ、ああ、痛い、と合いの手のように言葉が挟まる。目ぇが、目ぇが、と訴えているのも聞こえる。 怒りが込みあげてくる。怒りは抵抗不可......
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犬・狗(いぬ)
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
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