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(すすり泣き)誰のためでもない、ただ自分一人きりのための、ひっそりとした泣き声だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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泣く・涙を流す
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前後の文章を含んだ引用
......最初それが彼の口から聞こえているとは気付かず、部屋のどこかで壊れたオルゴールが鳴っているのかと錯覚したほどだった。ルートが手を切った時耳にしたのとは種類の違う、誰のためでもない、ただ自分一人きりのための、ひっそりとした泣き声だった。 一番目立つ場所に留められたメモ、上着を羽織ると嫌でも目に入ってくる、一番大切なメモを博士は読んでいた。《僕の記憶は80分しかもたない》 私はベッドの端に腰を下......
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泣く・涙を流すの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
おさえていた感情が堰を切ってあふれるように泣きだした
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
心が水々しい果実を舐めるがように感極まってむせぶ
横光 利一 / 時間 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
銀行からの逃走経路を下見していた。 一週間もの間、同じコースを何度も運転しつづけていた。 頭の中に、無数の注釈をつけた地図とタイムテーブルを作成する。そういう感覚だった。 交差点の場所や道路の平均的な混み具合、信号の変わる間隔、歩行者の量を頭に叩き込んでいく。どの経路でどの程度の速度で走れば、すべての信号を青で走りぬくことができるのか、それを調べていた。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
絵本をめくると、文字がリボンのようにするすると解け、声になって伝わってきた。《…略…》小説の声にもいろいろな種類があり、決して誰もがシルクのリボンの肌触りを持っているのではないこと、中には文字のまま解けず、声にさえならない作品がいくらでもあること
小川 洋子 / 仮名の作家「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
滝がなだれ落ちるように斬りまくる
白洲 正子 / 能の物語 amazon
「泣く」カテゴリからランダム5
干した貝が水にほとびるように、両方の目に潤いが出た。
森 鴎外 / 山椒大夫 amazon
赤ん坊は、針にでも刺されたように、たちまちいたいたしい泣き声を上げる。
芥川龍之介 / 偸盗
断水した蛇口から空気がもれるみたいな、人を狼狽させる泣きかた
安部 公房 / 他人の顔 amazon
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